―日本図書館協会選定図書―
地球が生まれて四十六億年。はじめは炭酸ガスだけの灼熱の星に、光合成細菌が出現し、炭酸ガスを有機物に変え、酸素を排出するようになったのが、二十七億年ほど前。大気中に酸素がたまり始め、海中に藻類が現れ、やがて動物、植物たちが海の中から上陸し、植物は大型化し、海中ではサンゴなどが海中に溶け込んだ炭酸ガスを消費し、長い時間をかけて大気中の炭酸ガスは吸収され、緑豊かな地球が出来上がりました。
この地球に生きる生物は、すべて、いろいろな生活循環、環境循環の中に関連付けられながら生きています。本書では、森林の中の循環の世界、動物、植物、微生物がいかに深い関係を持って生きているか、小さな世界の中の大きなドラマを説明しながら、あらゆる生物が調和のとれた状態で共生することが自然の法則であることを詳解し、これから人間が地球の自然に出来るだけ負荷を与えない生活をするために、森の自然から学ぶ調和のとれた生き方を提言します。
【目次より】
プロローグ
第一章 カビってなんだか知っていますか?
カビ=バイキン?
かつお節
日本酒
味噌・醤油も
第二章 カビの世界も調和を好む
虫の名前がついたカビ
カビたちの葉っぱの上の物語
カビたちと暮らす
糞の上のカビ物語
松枯れ病菌
第三章 森に学ぶ
天然のダム
キノコって何だろう
菌根菌
内生菌根
VA菌根
内外生菌根
エリコイド菌根
アーブトイド菌根
モノトロポイド菌根
ラン菌根
外生菌根
植物と外生菌根菌との協力関係
第四章 菌と昆虫
トノサマバッタの大量死
マイマイガの大発生
ブナ原生林を守るサナギタケたち
冬虫夏草
ブナアオシャチホコの大発生
大発生を終焉させる天敵
ブナの反応
サナギタケ
エピローグ